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路傍 [本(エンターテイメント)]


路傍 (集英社文庫)

路傍 (集英社文庫)

  • 作者: 東山 彰良
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/05/20
  • メディア: 文庫



こちらも初めて読む作者の作品。
大藪春彦賞の作品。

28歳のプータロー二人は、酒飲んで、薬やって、
金を盗んで、ソープに行って…という連作集のお話。

この作品は…、好き嫌いがすごく別れそう。
はみ出し者の青春群像ととるか、ただのチンピラのドタバタととるか
リアリティがあるのかないのか分からないストーリーは
文学的というよりも、マンガ的。

軽い伏線も軽く収まり、この世代の空虚感も重たくなりすぎずに
ノリの良さでサラリとしている。

個人的には、読者が嫌悪感を抱くギリギリをいったり来たりする感じで、
嫌いではない。とりあえずお酒を、と釣られる。

軽く読めるので、この作者の別の作品にも手を伸ばしてみたい。
ただこの作品の調子が続くようだと、食傷気味になりそう…。

暇な時におススメ。

by dg23
タグ:★★★★☆
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まほろ駅前多田便利軒 [本(エンターテイメント)]


まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本



何年か前の直木賞受賞作品。
この作者の作品はこれまで読んだことなかったので、
賞を受賞しているこの作品から挑戦。

東京と神奈川の境目のまほろ市(町田市のイメージかな?)で便利屋さんをする
主人公・多田とひょんなことで出会った同級生・行天のコンビの連作集。
そこに、娼婦やチンピラ、ませた小学生が絡みストーリーは進む。
連作といっても一話毎のインパクトはイマイチ薄い気がするので、
長編だったような読後感。

登場人物のキャラクターはそれぞれちゃんと立っているものの、
振り返ると主人公よりも、各キャラのインパクトの方が強い気もする。
話が進むにつれて、コンビの関係が深まり、お互いの過去にも触れ
相手への優しさも垣間見えてくる。軽妙な会話でテンポよく話も進む。

が、なぜか二人にズっポリとハマれないのはなんでだろうかと思ったら、
まぁ小説だからといえばそれまでだけど、男同士の友情の描き方に
むず痒さを感じる場面もチラホラ。相手への思いやりがなんか乙女ちっくな
気がしたり…。

でも、読みやすくキャラも面白いので、続編とか作り易そう。
サラッと読めておススメ。

ちなみに
すでに映画化されていました。
配役は…ハマっていそうだけれども、誰でも演じられそうなので
ジャニーズとか使っちゃえば普通に人気でそうなのにと思ったり。
まぁ、映画を見たいとまでは思わないです。

by dg23

タグ:★★★☆☆
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モノの広め方 [本(ビジネス・経済・キャリア)]


PR最強集団のTOPが教えるモノの広め方

PR最強集団のTOPが教えるモノの広め方

  • 作者: 西江肇司
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/10/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



珍しくビジネス関係の本。
隣の席に置いてあったので拝借してみました。

1時間くらいでサラッと読める。
今の世の中で話題になった(なっている)ような事例を挙げつつ
まさに“今”のPR戦略の考え方などなど…。

「あ~あれもそうなんだ~」と「へぇ~」はあるものの、
目から鱗かと言えばそれほどの斬新感はない気もする。
しかし実際に現場で携わっているいる人は、企画がハマった時の
ガッツポーズは気持ちが良いのだろうなっていうのは感じます。
ただ単に看板だしたり、CM垂れ流したりしても
そうそうモノは売れない時代。携わる人の熱も伝わってくる一冊。

アイデアの迷子になってたり、仕事のちょっとしたヒントに、
たとえどんな業務をしていても視点を変えるのにも
いいのではないでしょうか?

ちょっとした仕事の合間におススメ。

by dg23

タグ:★★☆☆☆
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ストロベリーナイト [本(エンターテイメント)]


ストロベリーナイト (文芸)

ストロベリーナイト (文芸)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: 単行本



この作家の作品を読むのは「ジウ」以来でしょうか?
そういえば「ジウ」もこの作品も主人公は魅力的な女性刑事。
男の刑事や主人公モノになれていると、女性的な弱さが歯がゆくなることも
あるけれど、それもまた作者の狙いの一つなのかな?

ストーリーは、無残な姿の変死体が見つかり、それを担当する主人公・姫川班。
姫川の天才的なひらめきで類似の犯罪も明らかになる。
そしてその犯罪の裏にある「ストロベリーナイト」という
殺人ショーの存在が姫川班の部下の調査で明らかに…黒幕は近くまで迫って…。

そこに、姫川の個人的な過去からの葛藤と刑事としての矜持が絡まり、
ついでにありがちな警察内部の人間関係も複雑にまとわりつきながら
事件は真相へとたどり着く。

という話。

そして、今回この作品を読むにあたって初めての試み。
以前、ドラマになっている作品なのであらかじめ登場人物を誰が演じたか調べて
そのイメージで読み進めてみようかなと。

姫川=竹内結子、ガンテツ=武田鉄也、うんうんイメージ湧きやすい・・・
と思いきや・・・・・この読み方は失敗。

テレビで割愛されてる登場人物がいたりする。すると、最初からこいつは犯人では
あり得ないということがわかってしまう。逆にキャストの濃淡で、俄然怪しい・・
先入観が邪魔しすぎた…。

殺人に関しての結構グロい描写や、姫川の過去などドンヨリとしたモノもあるが、
姫川班を中心に登場人物はしっかり個性を持って描かれ好感が持てる。
ただ、事件解決へのステップが、かたや姫川の天才的なひらめき、
もう一方はガンテツの裏技という感じでロジカルに導き出されるわけでないなど
後半の急スピード感は否めない。

しかし、刑事モノとしては美人刑事主人公というのは、ちょっろエロい展開を
期待してしまうも意外に悪くない。
シリーズモノとして続いているらしいので、是非次の「ソウルケイジ」にも挑戦しよう。
姫川の自身の過去との戦いは程々になっているといいなと思ったり。

by dg23

タグ:★★★☆☆
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人間失格 [本(エンターテイメント)]


人間失格 (集英社文庫)

人間失格 (集英社文庫)

  • 作者: 太宰 治
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1990/11/20
  • メディア: 文庫



「恥の多い生涯を送ってきました。」
言わずと知れた太宰治の自伝的名作。太宰の遺作?遺書?

かつて読んだことがある気がするけれど、改めて「よし!読む」と身構えて読む。


読後のドンヨリ感が凄まじい。
自殺未遂、心中失敗、アル中、薬物中毒と派手なダメ人間っぷりは
なかなか感情移入がし難い。
(感情移入しなくていいのか?文学として読むべき?)

ある種の人たちにとっては、主人公(太宰?)の心の葛藤は決して人ごとでは
ないのかも。それゆえ長く支持され続けているのかとちょっと納得。

「空気を読んで」自分を偽ったり、「嫌われないために」人を欺いたり、
大袈裟なことじゃなく、誰でも日常で何気なくやっていること。
そしてふと立ち止まった時、その不自然な言動に気づき、
「カァー」と真っ赤になって布団に包まりたくなる衝動は少なからずある。
主人公は、その自己嫌悪やこっ恥ずかしい感を常に意識し続ける
「気にし過ぎ」君のなれの果てといったところでしょうか。

ただ、ちょっとこの作品の書評などを検索していて気になったのは、
主人公の繊細さや、寂しさや優しさを、そして自殺までの苦悩を
肯定的に美しく読み解こうとするのはちょっと気を遣いすぎではないですか?と思ったり。
この小説を読んで共感する人が、繊細さや寂しさを美しいとして奉ったり、
精神的な弱さを印篭のように正当化するのには違和感がある。

小説として、この迫力と重厚感は凄い。

by dg23

***

そう、文学としてはわたしなんかにとやかく言われるレベルではないのは承知だけれど
実際、めんどくさい人だな・・・とか思ったりして・・・。

by345

タグ:★★★★★
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ダブル・ジョーカー [本(エンターテイメント)]


ダブル・ジョーカー

ダブル・ジョーカー

  • 作者: 柳 広司
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2009/08/25
  • メディア: 単行本



吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞を受賞した
話題作『ジョーカー・ゲーム』の続編連作集。
当然、期待はデカイ。

戦時中、極秘裏に結成された結城中佐率いるスパイ組織「D機関」
日本国内軍部の対抗組織、海外のスパイ組織などとの暗闘も
緻密な情報戦と洞察で圧倒する。
そんな痛快な「D機関」の強さにしびれる。

しかし、読み進めていくとちょっと違和感。
前作「ジョーカー・ゲーム」はD機関の草創期からの物語で、
ドキドキする場面が満載だった。
今作は、既に圧倒的に鋭利で狡猾なD機関が相手を全く寄せ付けない。
ということで、読みながら誰がD機関かな?どこで出てくる?
って読み進めるだけで、盛り上がりに欠けたのは残念。
「実はD機関メンバーは○○でした~」的な後付け感があるのも、
最初は「マジか!そうくるか!」だったものが、「なるほど、そっちね」とサラッと流せてしまう。

読後も5編のうち、1~2作くらいしか印象に残らない。
期待が大きすぎて、厳しい評価。

中学生や高校生におススメ。純粋に熱くなれるかな?


by dg23
タグ:★★☆☆☆
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鴨川ホルモー [本(エンターテイメント)]


鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 産業編集センター
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本



この作者の名前は何て読むのかなと思ったら、
万城目(まきめ)学(まなぶ)だそうです。

この作品、映画になっているのは知っていたけど
ノリが軽そうでイマイチ読む気がしなかったけど、
最近書店などで良く見かけるなと思ったので挑戦。

お話は、京都大学に入学した主人公が
「京大青竜会」なるサークルに勧誘され、
他3大学との謎の対抗戦「ホルモー」に参加することに。
という不思議なサークルを舞台にした青春ストーリー。

「ホルモー」自体は意味不明。
大学対抗雪合戦くらいのノリで流し読みして良いの?
それとも「ホルモー」自体が何かのメタファー的な要素があるの?
テンポよく読み進められるから、あまり深く考えない。

青春ストーリーも、恋愛と友情とライバルと成長と…。
結構面白かったのに、感想を書いてみると
「アレ?面白かったのか?」不思議な感覚。

続編とか、「ホルモー」の戦略編とか、人気があれば色々な形で
広がりそうな作品。
通勤、通学に軽く読むのにおススメ。

by dg23

***

万城目氏、もりみー、わたしはともに無理です。
最後まで読めません。
この筆者達のバックグラウンドや語り口、ひととなりに興味がもてなければ
なかなか読み進めにくいかと。。。
(てか、たいてい大学生の話じゃない??)

ゆえ、dg23の評価星です。

by345
タグ:★★☆☆☆
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暗いところで待ち合わせ [本(エンターテイメント)]


暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)

暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2002/04
  • メディア: 文庫



乙一の短編じゃないモノを読んでみようと。
このタイトルも、本の装丁も、明らかに怖そうな予感がプンプン。

目が見えなくなった主人公の女性は、
友人との外出以外はほとんど家でひきこもり状態。
しかし、自分以外誰もいないはずの部屋に誰かがいる気配がする。

もう一人の主人公は、元上司を電車に突き落とし殺した容疑者として
追われる。そして、目の見えない女性の家に、ある目的のために、
沈黙を保ち居候を続ける。

あらすじを書いていると、
いかにも怖い設定で女性が可哀そう過ぎると思いきや、
無言の中に生まれる、ささやかな交流とそれぞれの優しさ。
サブストーリー?ともとれるミステリー要素が解決した後の
ストーリーの終わり方も個人的に好き。

沈黙の中での双方の緊張感、心理の読みあい、
にじみ出る「いい人」感。
主人公の二人の会話を繋げずに、この展開の良さは凄い。

タイトル通り、暗~い感じの始まりからは想像しにくい
穏やかなエンディングに安心し思わずホッとする。

他の作品は怖いのかなぁ・・・とか思いつつも、
もう少し読んでみたくなる作家です。

おすすめ。

by dg23

タグ:★★★★☆
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ウスケボーイズ [本(ノンフィクション)]


ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち

ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち

  • 作者: 河合 香織
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/11/16
  • メディア: 単行本




岡本英史、城戸亜紀人、曽我彰彦といえば、
日本ワインを少しでも知っている人ならすでに有名。

「共感」できるほどのストイックさを私は持ち合わせていないし、
「楽しむ」ほどこれらのワインは手軽に売られていはいないし、
「感動する」ほどこの著は上手くもない。

何かこう、伝説みたいなものを本人以外が作ろうとしてしまっている現状に冷める。
ワインについては旨いか旨くないかで判断する自分にとっては、
もう少し上手いノンフィクションを期待していた。

筆者はもう少し、彼らのインタヴューや現状を
ノンフィクション作家として冷静に、詳細に書いた方が良いんじゃないか。

せっかく素晴らしく気概のあるヴィニュロン達なのだから。
2時間かけて読むなら、2時間かけて畑へ行った方が良い。

by345
タグ:★☆☆☆☆
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きみの友だち [本(エンターテイメント)]


きみの友だち (新潮文庫)

きみの友だち (新潮文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/06/30
  • メディア: 文庫



この作家を読みたくなる時って、精神的にポジティブな時なのか
もしくはネガティブになっている時なのか。
心理学的なことは分からないけれど、「泣けるんだろうな~」と
思いながら手に取る。

交通事故で片足が不自由になった女の子とその弟。
その姉弟の小学生~大人までに関わった人物達の
それぞれの性格や、「友だち」というものへの考え方などを
ピックアップしながら、それぞれのストーリーを紡ぎだす。

勉強も出来てスポーツも出来るクラスのヒーロー、
常に周りの顔色を見ているお笑い担当、
自分の立ち位置を模索する転校生、などなど。
誰が読んでも、登場人物の誰かと自らが重なるところがあるはず。

どうしてこの作家はこんなにも小学生や中学生の気持ちを
上手に表現できるのだろう。「そうそう。そんな感じ!」と
大人としては何度もニヤけてしまう。

「現代の子は…」などといっても、
いつでも子供の世界の人間関係は変わらないのかもしれない。
読後、「あいつら、今頃何してんのかな?」と
ちょっと誰かに連絡したくなる。

どういう世代に勧めるのが一番いいのか分からないけれど、
この本をもっと興奮をもって上手く伝えられないのがもどかしいくらい、
凄くおすすめ。

by dg23 

タグ:★★★★★
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