暗いところで待ち合わせ [本(エンターテイメント)]
乙一の短編じゃないモノを読んでみようと。
このタイトルも、本の装丁も、明らかに怖そうな予感がプンプン。
目が見えなくなった主人公の女性は、
友人との外出以外はほとんど家でひきこもり状態。
しかし、自分以外誰もいないはずの部屋に誰かがいる気配がする。
もう一人の主人公は、元上司を電車に突き落とし殺した容疑者として
追われる。そして、目の見えない女性の家に、ある目的のために、
沈黙を保ち居候を続ける。
あらすじを書いていると、
いかにも怖い設定で女性が可哀そう過ぎると思いきや、
無言の中に生まれる、ささやかな交流とそれぞれの優しさ。
サブストーリー?ともとれるミステリー要素が解決した後の
ストーリーの終わり方も個人的に好き。
沈黙の中での双方の緊張感、心理の読みあい、
にじみ出る「いい人」感。
主人公の二人の会話を繋げずに、この展開の良さは凄い。
タイトル通り、暗~い感じの始まりからは想像しにくい
穏やかなエンディングに安心し思わずホッとする。
他の作品は怖いのかなぁ・・・とか思いつつも、
もう少し読んでみたくなる作家です。
おすすめ。
by dg23
タグ:★★★★☆
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