若きサムライのために [本(文学)]
「三島由紀夫」を古本屋で探す。
文庫を裏返し、あらすじを確認するとなんか面倒くさそう・・・。
そんな中、このタイトルに惹かれる。
「若きサムライ?俺のことか?」
そしてこの一節
『私の言いたいことは、口に日本文化や日本的伝統を軽蔑しながら、
お茶漬けの味とは縁の切れない、そういう中途半端な日本人はもう沢山だということであり、
日本の未来の若者にのぞむことはハンバーガーをパクつきながら、
日本のユニークな精神的価値をおのれの誇りとしてくれることである。』
時代も違うし、右とか左とかの偏った思想も特にない。
でも、強烈に印象に残る文章に出会ったことは、ちょっと嬉しい。
by dg23
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「日本人って、うんぬん。」
「こんなことするのって、日本人だけだよね、うんぬん。」
この類のフレーズにはうんざり。
空の青いのを知っていればまだ救いはあるかもしれないが、
単純なカエル。井の中の。
日本のド田舎から海外のド田舎に行って、
「アメリカってさ~、日本と違ってさ~」などとおっしゃる輩に読ませたい。
この類のフレーズにイラつく度に読みたくなる&読ませたくなる一冊。
by345
午後の曳航 [本(文学)]
一番好きな好きなスポーツ選手は『松井秀喜』。
その松井の好きな作家が三島由紀夫で、一番好きな作品が本書。
とWIKIで書いてあったので、「読まねば!」
文学的?哲学的? = 苦手?
と特に根拠のない先入観だけで遠慮しがちになってしまいそうな作品。
「いや、松井が好きなんだから間違いないはず」
表現は古めかしく難しい。
精神世界は理解しがたく楽しくない。
しかししかし作品全体に「骨太」な根幹が文章全体にあるように感じる。
なかなか面白い。
ちょっとほかの作品にも挑戦したくなる。
by dg23
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若い頃に読んだ方が良い一冊ではあるけれど、
大人になったら大人になったで
その視点で読める・考えられる一冊。
本を閉じ、腰を据えて思いを巡らせたくなる。
by 345
猛スピードで母は [本(文学)]
純文学的な作品がどうも苦手でした。
エンターテイメントとしての直木賞や山本周五郎賞、
新人賞なら吉川英治文学新人賞とかの作品に手が
伸びていましたが、
しかしかし、もういい大人なので、
視野を広げようと、読まず嫌いをなくそうと。
芥川賞と文学界新人賞を獲得した作品を収録した
コレを手にとって見る。
生活の一部分を切り取って、
その時間を取り巻く人々の感情や表現の機微を
文章にした?というような印象。
なるほど、なるほど。。。。
正直、良さはまだよくわからない。。。
好みの問題か。。。
関係ないかもしれないが、
マクドナルドの100円コーヒーとスタバのコーヒーの美味さの違いが
気にならない自分は、この手の小説の良さはずっと分からないのかもな。
と感じたり。
by dg23
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「生活の一部を切り取っ」たように見せられてしまった
その事実自体がこういう類の小説の目的であるかなと思ったり。
もれなく私も良くワカラナイ。。。
by 345
イッツ・オンリー・トーク [本(文学)]
東京奇譚集 [本(文学)]
他人の顔 [本(文学)]
壁 [本(文学)]
美しき凶器 [本(文学)]
新釈 走れメロス 他四篇 [本(文学)]
この人の本は少なからず読んでいるが、
こういうネタでしか書けないのだろうか。
青空文庫な名作をもとに、オリジナルの解釈をした作品。
京大生が愉快痛快に自堕落かつ有意義な時間を、独特の目線で過ごす。
といった内容に、マンネリを感じる。
しかし、この世界を描きたい気持ちもわかる。
私達の時代ですら、「日本のトップは京大」であって「東京へ逃げる」イメージがあった。
判で押したようなくくりの東大へは、校内でも面白くないタイプの人間が、
自由でおおらかな京大へは、いつ勉強しているのかわからないタイプの人間が進んでいった。
医学部へ行く連中も、理Ⅲでなく京大医学部を選んだ。
確かに私も「こっち系」の人間にくくられるんだろうと思うが、
生まれも育ちも東京で、ママとランチやレッスンにでかけるような
女子大生にも憧れた。
ゆえに、たとえ愉快痛快でも
この人がこのネタで書く限りは、生々しくねっとりとした感情が蘇る。
by345