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若きサムライのために [本(文学)]


若きサムライのために (文春文庫)

若きサムライのために (文春文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1996/11
  • メディア: 文庫



「三島由紀夫」を古本屋で探す。
文庫を裏返し、あらすじを確認するとなんか面倒くさそう・・・。

そんな中、このタイトルに惹かれる。
「若きサムライ?俺のことか?」

そしてこの一節

『私の言いたいことは、口に日本文化や日本的伝統を軽蔑しながら、
お茶漬けの味とは縁の切れない、そういう中途半端な日本人はもう沢山だということであり、
日本の未来の若者にのぞむことはハンバーガーをパクつきながら、
日本のユニークな精神的価値をおのれの誇りとしてくれることである。』

時代も違うし、右とか左とかの偏った思想も特にない。
でも、強烈に印象に残る文章に出会ったことは、ちょっと嬉しい。

by dg23

***

「日本人って、うんぬん。」
「こんなことするのって、日本人だけだよね、うんぬん。」

この類のフレーズにはうんざり。
空の青いのを知っていればまだ救いはあるかもしれないが、
単純なカエル。井の中の。

日本のド田舎から海外のド田舎に行って、
「アメリカってさ~、日本と違ってさ~」などとおっしゃる輩に読ませたい。

この類のフレーズにイラつく度に読みたくなる&読ませたくなる一冊。

by345
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午後の曳航 [本(文学)]


午後の曳航 (新潮文庫)

午後の曳航 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1968/07
  • メディア: 文庫



一番好きな好きなスポーツ選手は『松井秀喜』。

その松井の好きな作家が三島由紀夫で、一番好きな作品が本書。
とWIKIで書いてあったので、「読まねば!」

文学的?哲学的? = 苦手?
と特に根拠のない先入観だけで遠慮しがちになってしまいそうな作品。
「いや、松井が好きなんだから間違いないはず」

表現は古めかしく難しい。
精神世界は理解しがたく楽しくない。
しかししかし作品全体に「骨太」な根幹が文章全体にあるように感じる。

なかなか面白い。
ちょっとほかの作品にも挑戦したくなる。

by dg23

***

若い頃に読んだ方が良い一冊ではあるけれど、
大人になったら大人になったで
その視点で読める・考えられる一冊。

本を閉じ、腰を据えて思いを巡らせたくなる。

by 345
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猛スピードで母は [本(文学)]


猛スピードで母は (文春文庫)

猛スピードで母は (文春文庫)

  • 作者: 長嶋 有
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 文庫



純文学的な作品がどうも苦手でした。
エンターテイメントとしての直木賞や山本周五郎賞、
新人賞なら吉川英治文学新人賞とかの作品に手が
伸びていましたが、

しかしかし、もういい大人なので、
視野を広げようと、読まず嫌いをなくそうと。
芥川賞と文学界新人賞を獲得した作品を収録した
コレを手にとって見る。

生活の一部分を切り取って、
その時間を取り巻く人々の感情や表現の機微を
文章にした?というような印象。
なるほど、なるほど。。。。

正直、良さはまだよくわからない。。。
好みの問題か。。。

関係ないかもしれないが、
マクドナルドの100円コーヒーとスタバのコーヒーの美味さの違いが
気にならない自分は、この手の小説の良さはずっと分からないのかもな。
と感じたり。

by dg23

***

「生活の一部を切り取っ」たように見せられてしまった
その事実自体がこういう類の小説の目的であるかなと思ったり。

もれなく私も良くワカラナイ。。。

by 345
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イッツ・オンリー・トーク [本(文学)]


イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)

イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)

  • 作者: 絲山 秋子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 文庫



どんなところが良いのか読んでみろと渡されたもの。

どんなところが良いのか。

解説を読んで初めて分かりました。
鍵は「共感」ではないかと。
女が見ているものと男が見ているものの違い。

「私だったら」という前提がなければ、
面白みの無い事実の提示にしか感じないかもしれない。

女子のおしゃべりが、
女には死ぬほど楽しいが男には死ぬほどつまらない、そんな。

by345
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東京奇譚集 [本(文学)]


東京奇譚集 (新潮文庫)

東京奇譚集 (新潮文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 文庫



村上春樹の芽を芽生えさせるため、
軽いものを選んでトライし続けているのだけれど。。。

幸か不幸か、「名前をとられる話」は
安部公房(『壁』のS・カルマ氏ね)とかぶってしまった。

エッセイ風で爽やかで良いじゃない、と
芽が「出そう」になったところで
出てきた「猿がしゃべり始める」ものだから
そこで閉じてしまおうかと思ったけれど、
一応最後までパラパラしてみた次第。。。

by345
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他人の顔 [本(文学)]


他人の顔 (新潮文庫)

他人の顔 (新潮文庫)

  • 作者: 安部 公房
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1968/12
  • メディア: 文庫



これも昔から数回読んでいる一冊。
重い重い重苦しい、顔への思いが、鬱陶しいほどに詰まっている。
美醜以前に、顔の存在について。

この執拗な男の表現に対する、
女たち(妻や少女)のあっさりさといったら無い。

自分の存在は、名前なのか顔なのか、ココロなのか。
その全てであり、その一体感であるとわたしは思うけれど。

by345
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 [本(文学)]


壁 (新潮文庫)

壁 (新潮文庫)

  • 作者: 安部 公房
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/05
  • メディア: 文庫



なつかしい、なつかしい。
小学生、中学生、高校生、大学生、オトナ。
何度も読んできた一冊。

哲学的なこと、難しいこと、どうでも良い。
ただただ単純に、この世界(観)が自分の脳内のイメージに似ていて落ち着く。
個人の発想の極めて小さな断片が具現化したとき、
全体がつかめない人はそれを「不思議」と呼ぶ。

これは、その断片かもしれないし全体かもしれない。
いろいろと考えるよりも、自分が読むごとに自然に見つけられる部分を大事にしたい一冊。

by345
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美しき凶器 [本(文学)]


美しき凶器 (光文社文庫)

美しき凶器 (光文社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 文庫



ピリッとした展開に期待して購入。

タランチュラやら、ものすごく大きい外国人アスリートやら、
なぜそのキャラが必要なのかわからぬままに終了・・・。

東野圭吾好きなわけではありません。

ただピリッとした展開の小説が読みたいのです・・・。

by345
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新釈 走れメロス 他四篇 [本(文学)]


新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

  • 作者: 森見 登美彦
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2009/10/15
  • メディア: 文庫



この人の本は少なからず読んでいるが、
こういうネタでしか書けないのだろうか。

青空文庫な名作をもとに、オリジナルの解釈をした作品。

京大生が愉快痛快に自堕落かつ有意義な時間を、独特の目線で過ごす。

といった内容に、マンネリを感じる。

しかし、この世界を描きたい気持ちもわかる。

私達の時代ですら、「日本のトップは京大」であって「東京へ逃げる」イメージがあった。
判で押したようなくくりの東大へは、校内でも面白くないタイプの人間が、
自由でおおらかな京大へは、いつ勉強しているのかわからないタイプの人間が進んでいった。
医学部へ行く連中も、理Ⅲでなく京大医学部を選んだ。

確かに私も「こっち系」の人間にくくられるんだろうと思うが、
生まれも育ちも東京で、ママとランチやレッスンにでかけるような
女子大生にも憧れた。

ゆえに、たとえ愉快痛快でも
この人がこのネタで書く限りは、生々しくねっとりとした感情が蘇る。

by345
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手紙 [本(文学)]


手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 文庫



ぐっとくるポイントはたくさんある。
殺人犯の兄を持ったことによって、
弟が苦悶しつつも人生を歩んでいく。

「泣かされよう」と素直に思えば、泣ける。

ドキュメンタリーでなく、これぞ「小説」という巧さもあり。

いまや、『手紙』という単語はそれだけで物悲しい雰囲気漂う言葉になった気がする。
その内容が陰であれ、陽であれ。

書く人、読む人それぞれが
その手紙だけのための時間を費やすということが、重い。

by345



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