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八日目の蝉 [本(エンターテイメント)]


八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/01/22
  • メディア: 文庫



最近映画になっているのは知っていたものの、
まぁ見ることもないだろうし、本も買うことはないかなと
思っていたら、文庫本貰ったので読み始める。

映画の番宣でキャストは知っていたので、これが永作で、
これが井上でとイメージしやすいのは良いのか悪いのか。

作品は大きく分けて二部構成。
前半。ある女性が不倫していた男性の子供を誘拐してしまう。
そして、逃げて逃げて4年くらい?まさかの偶然により小豆島で逮捕される。
後半。誘拐された娘が成長する。誘拐されたという過去は本人だけじゃなく、
家族に暗い影を落とし続ける。そして、誘拐犯同様に自らも不倫の子供を
宿してしまう。

というお話。

基本的に、「母性愛」がテーマ?なので男読者としては感情移入がし難い。
で、男って馬鹿だな、女って怖いなって思う・・・だけ。

映画はどうなっているのか分からないけれど、
小説の終わり方はもどかしい。いや、こう感じさせるのは作者の作戦通りか。
あえてもう一つのドラマを作らないのは作者の母性なのかなとも思ったり。

でも前半の逃亡がスピード感とスリルをもって大きく三つのエピソードが展開されるのに対して、
後半は過去と現在のリンクをズリズリと伸ばしているようで急にスピード感が失われる。
後半のまったりした感じに慣れずに、前半と同じ勢いで読み進めてしまったのはもったいなかった?

女性は泣けるという噂。

by dg23

***

わたしは読んでいませんが、
たまたま見ていたTV番組で(dg23は見ていない)
映画の批評家が同じ様な事言ってました。

女性にはわかるが、
男性にはわからない、と。

そういうことって、年を取るにつれて多くなりますね。

by345

タグ:★★★☆☆
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羊の目 [本(エンターテイメント)]


羊の目 (文春文庫)

羊の目 (文春文庫)

  • 作者: 伊集院 静
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/05/07
  • メディア: 文庫



読まず嫌いだった作家。
何の予備知識もないのに、面倒くさい大人の恋のお話を書く人という先入観が
何のきっかけで生じたかさえ分からないし、そもそもそういうお話を書く人かさえ
定かではありませんでした。

全然違うじゃないですか。本作。

本当の母親に捨てられ、侠客の親父に育てられ、
一寸の迷いもなくその人生を親父に捧げた男の一生を描いた物語。
親父のためにためらいなく人を刺し、当たり前のように死地に飛び込む。
それが男が自分に課した唯一の存在理由。
男の成長と組織の栄枯盛衰も重なりながら物語は進む。
そして男は最後の最後まで、己の生き方に筋を通す。

という、義理人情のお話。

連続ドラマでも、結構壮大な話として成立しそうな本作。
浅草~関西はもちろん、ロスまで行ってしまい、
いつの間にやら「Lion」と恐れられ、無敵になってしまう主人公。
それはそれで男として魅力的で熱くなれる。

欲を言えば、
組織の敗北の件、外国行ってからの件、密かな恋の件、帰国後の件も
丁寧な一つの物語として読みたい。ちょっと詰め込み過ぎ感は否めない。

他の作品も読んでみたくなる。

by dg23
タグ:★★★★☆
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40 翼ふたたび [本(エンターテイメント)]


40 翼ふたたび (講談社文庫)

40 翼ふたたび (講談社文庫)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/02/13
  • メディア: 文庫



もちろん名前は知っていたけれど、ドラマ「IWGP」も大好きなドラマだったけれど、
実は初めて読む石田衣良の作品。

初めての作家を読むときは、なんかしら賞をとっている作品からと考えているので、
直木賞作品からと思っていたら間違えた。
「40」じゃなくて「14」が直木賞だった…。といってもせっかく手元にあるので読み始めました。

人生の折り返し地点?に差し掛かった40歳。
プロデュース業で冴えない日常を送る主人公が、様々な普通じゃない同世代と出会う。
40歳として受け入れる現実、あきらめ、惰性を上手に操って、残りの半分の人生をも
ほどほどに受け入れてしまえる中で、ふたたび輝ける、輝かせる「仕事」に挑戦する。
良くも悪くも今いる場所を受け入れていた昔の仲間も今の仲間も、
心の底に溜まっていた「まだやれる」を目覚めさせる。
過去の栄光をよりどころにしながらも、そこにしがみつかない。
そんな40歳の男達の物語。

自分より、ちょっと大人のストーリー。
そう遠くもないけど、想像しにくい40歳。
40歳になった時、この本を読む自分が、どういう立場で読むのかな?と思いをはせる。
何かに挑戦し続けているのか、幸せで満ち足りた気分か、変わり映えのしない日常と
冴えない自分に絶望しているか・・・。

未来のその頃、
仕事の経験、助け合える仲間、そして斜に構えても確固たる自信。
そんなものを持っていられたらなと考えさせられる。
「大器晩成だぜ!」などと言ってた片鱗くらいもちょっとは見せたい。
あっという間に過ぎる日常に、どっしり構え直したい。

と思った。

ストーリーとしては特にハラハラドキドキするわけでもなく、
スピードアップしたりすることはないけれど、電車の中で周りを
見回しながらゆっくりと読める。

by dg23
タグ:★★★☆☆
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館島 [本(エンターテイメント)]


館島 (ミステリ・フロンティア)

館島 (ミステリ・フロンティア)

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2005/05/30
  • メディア: 単行本



この本を読んでいたところ、
ちょうどこの東川篤哉氏の作品が2011年の本屋大賞を受賞したとのこと。
もしかしてこの作品も話題になってたりしたのかな?

『館島』といういかにもなタイトルの通り、
閉じ込められた孤島、不可思議な作りをした建物、鋭い探偵という定番が揃った
本格?ミステリー。

半年前に主人が不可解な墜落死をした館に、当時の関係者と探偵が招かれる。
そして、嵐のために孤立した島ではまた殺人が起こる。
今度の被害者は、死んだ主人の長男。そしてあり得ない深夜の密室。
全員がアリバイを証明出来ずに…そして、二人目の被害者が…。

とまさに、王道ストーリー。
個人的にこの設定では読み進めるのがつらかった…。

この作品は、作者の初期の作品なのかどうかは知らないが
作品全体の書きたい方向がイマイチ分からない。
ドキドキしないし、怖くもないし、かと言って笑えるほどのユーモアは薄い。
中途半端におちゃらけた掛け合いをしている間に、
逆にしっかりと本格的なトリックが暴かれる。

登場人物の設定も微妙…。
探偵や刑事のキャラに鋭さを感じないのに、ありえないトリックを暴く。
他の登場人物もあえてのキャラの薄さだとしたらどうなのか。

数多くの、孤島モノ、密室モノ、館モノの名作と呼ばれるミステリーがある中で、
独特の登場人物キャラで、そしてその軽さで新しさを出そうとしているのか?
成功しているとはちょっと言い難い。
本格路線で重厚なストーリーにするか、トリックよりも人物メインで行った方が
良いのではないかなと思ったり…。

なにはともあれ、本屋大賞とった作品はそのうち読まないとね。

by dg23
タグ:★☆☆☆☆
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イッツ・オンリー・ロックンロール [本(エンターテイメント)]


イッツ・オンリー・ロックンロール

イッツ・オンリー・ロックンロール

  • 作者: 東山 彰良
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 単行本



以前読んだ同作家の「路傍」が面白かったので、もう一つ読んでみようとこの作品。

主人公は34歳になっても、未だにロックでメジャーになることを夢見る男。
バンド仲間や、昔からの腐れ縁の男や女とともに、
面白おかしく過ごしながらも現実を見つめ苦悩し、それでも前を向き続ける。
後半にかけては挫折や悲劇に直面し、打ちひしがれるもそれでも戦う。
ロックの名曲(全然詳しくないから知らないけど…)に感情を乗せて、
暴力や酒、ドラッグと、いかにもアウトローなストーリーが軽快に紡がれる。

物語の設定は自分とは程遠いはずなのに、
同世代だからなのか、それともハードボイルド的なカッコよさに惹かれてか、
どっぷりと入り込め、かつ「そうなんだよねぇ~」と思わずうなずきたくなる言葉にうなる。

この世代、自分はもっと出来る、もっとスゴイと思いたい半面、
今だって、そこそこ悪くないじゃない?と現実を受け入れたい。
プライドと結果の葛藤や、「カッコいい」と「かっこ悪い」の境界線が都合よく行ったり来たり。
そもそも何がカッコいいのかさえ、基準が変わってくる。

「いい歳して何やってるの?」という問いを発してしまうこと自体がかっこ悪いんじゃないか、
「いい歳して夢を目指す」こと自体がカッコいいのかもしれない。
まだまだ「信じていれば夢はかなう」と言い続けてもいいのかもなと思える一冊。

同年代の友人に薦めたい。

by dg23



タグ:★★★★☆
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ソウルケイジ [本(エンターテイメント)]


ソウルケイジ

ソウルケイジ

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/03/20
  • メディア: 単行本



前作「ストロベリーナイト」に続く、姫川シリーズの2作目。
魅力的な女性刑事・姫川玲子とその仲間たちの個性は結構好き。

左手首だけの死体が発見される。
被害者を調べるうちに、次々とその周りの関係者の過去も明らかになり、
加害者?被害者?はなぜそこに至ったのか?
というメインストーリーを、姫川のライバルでもある日下との協力&競争を軸に
捜査は進む。

前作のサブストーリーは姫川の「過去」とすれば、
今回は日下という「ライバル」と、事件にかかわる人物たちの「父性」。
日下の人間性、登場人物の温かな父性は胸に迫る。

最後の姫川・日下・関係者の場面は、
「そこが伏線だったか~」と意表はつかれたものの、
全体としては、だいぶ早い段階でこれとこれは違うんだろうな、
大筋としてはそういうことなんだろうなとは気づく。

前作同様、「なぞ解き」としてよりも「人間物語」を中心に楽しめる。

by dg23
タグ:★★★☆☆
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空をつかむまで [本(エンターテイメント)]


空をつかむまで

空をつかむまで

  • 作者: 関口 尚
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/04/05
  • メディア: 単行本



最近、なぜか青春系が続く。
この作者を今まで知りませんでした。
坪田譲治文学賞受賞作。

全国でも有数の水泳選手だけど元不良、
元いじめられっ子のデブ、
アスリートの才能があったのに挫折した主人公。
なぜか、3人でトライアスロンのリレーに出場することになった話。
そこに、恋や成長や友情が絡まるお話。

最近この手の話に違和感を感じてしまう。
こんなに悩んだっけ?こんなに深刻だったか?
そもそもこんなに大人だったか?こんなに友情ということを強く意識したか?
自分がもっと平和に楽しくポワーッと過ごしてきたからなのかな。
ある意味幸せだったなと今更ながら思ったりする。

ただ、この作者はスポーツをしたことがないのかな?と思うところもチラホラ。
いやいや、そんなに簡単には・・・と。スポーツ物語がメインではないとはいえ、
ちょっと雑な感じはがっかり。
主人公3人を軸にそれぞれのストーリーを詰め込み過ぎな感じが否めない。
ここでSEXの話がいるかな?分かりやすい伏線を今頃回収しますか?
などなど…。

と言いつつ、やはり青春小説はテンポよく読める。

青春小説的な本が読みたくなるのは
「あの頃は良かったなぁ~」的な潜在意識のせいなのか…。
良くない良くない。

、という気分の時におススメ。

by dg23

タグ:★★☆☆☆
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路傍 [本(エンターテイメント)]


路傍 (集英社文庫)

路傍 (集英社文庫)

  • 作者: 東山 彰良
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/05/20
  • メディア: 文庫



こちらも初めて読む作者の作品。
大藪春彦賞の作品。

28歳のプータロー二人は、酒飲んで、薬やって、
金を盗んで、ソープに行って…という連作集のお話。

この作品は…、好き嫌いがすごく別れそう。
はみ出し者の青春群像ととるか、ただのチンピラのドタバタととるか
リアリティがあるのかないのか分からないストーリーは
文学的というよりも、マンガ的。

軽い伏線も軽く収まり、この世代の空虚感も重たくなりすぎずに
ノリの良さでサラリとしている。

個人的には、読者が嫌悪感を抱くギリギリをいったり来たりする感じで、
嫌いではない。とりあえずお酒を、と釣られる。

軽く読めるので、この作者の別の作品にも手を伸ばしてみたい。
ただこの作品の調子が続くようだと、食傷気味になりそう…。

暇な時におススメ。

by dg23
タグ:★★★★☆
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まほろ駅前多田便利軒 [本(エンターテイメント)]


まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本



何年か前の直木賞受賞作品。
この作者の作品はこれまで読んだことなかったので、
賞を受賞しているこの作品から挑戦。

東京と神奈川の境目のまほろ市(町田市のイメージかな?)で便利屋さんをする
主人公・多田とひょんなことで出会った同級生・行天のコンビの連作集。
そこに、娼婦やチンピラ、ませた小学生が絡みストーリーは進む。
連作といっても一話毎のインパクトはイマイチ薄い気がするので、
長編だったような読後感。

登場人物のキャラクターはそれぞれちゃんと立っているものの、
振り返ると主人公よりも、各キャラのインパクトの方が強い気もする。
話が進むにつれて、コンビの関係が深まり、お互いの過去にも触れ
相手への優しさも垣間見えてくる。軽妙な会話でテンポよく話も進む。

が、なぜか二人にズっポリとハマれないのはなんでだろうかと思ったら、
まぁ小説だからといえばそれまでだけど、男同士の友情の描き方に
むず痒さを感じる場面もチラホラ。相手への思いやりがなんか乙女ちっくな
気がしたり…。

でも、読みやすくキャラも面白いので、続編とか作り易そう。
サラッと読めておススメ。

ちなみに
すでに映画化されていました。
配役は…ハマっていそうだけれども、誰でも演じられそうなので
ジャニーズとか使っちゃえば普通に人気でそうなのにと思ったり。
まぁ、映画を見たいとまでは思わないです。

by dg23

タグ:★★★☆☆
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ストロベリーナイト [本(エンターテイメント)]


ストロベリーナイト (文芸)

ストロベリーナイト (文芸)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: 単行本



この作家の作品を読むのは「ジウ」以来でしょうか?
そういえば「ジウ」もこの作品も主人公は魅力的な女性刑事。
男の刑事や主人公モノになれていると、女性的な弱さが歯がゆくなることも
あるけれど、それもまた作者の狙いの一つなのかな?

ストーリーは、無残な姿の変死体が見つかり、それを担当する主人公・姫川班。
姫川の天才的なひらめきで類似の犯罪も明らかになる。
そしてその犯罪の裏にある「ストロベリーナイト」という
殺人ショーの存在が姫川班の部下の調査で明らかに…黒幕は近くまで迫って…。

そこに、姫川の個人的な過去からの葛藤と刑事としての矜持が絡まり、
ついでにありがちな警察内部の人間関係も複雑にまとわりつきながら
事件は真相へとたどり着く。

という話。

そして、今回この作品を読むにあたって初めての試み。
以前、ドラマになっている作品なのであらかじめ登場人物を誰が演じたか調べて
そのイメージで読み進めてみようかなと。

姫川=竹内結子、ガンテツ=武田鉄也、うんうんイメージ湧きやすい・・・
と思いきや・・・・・この読み方は失敗。

テレビで割愛されてる登場人物がいたりする。すると、最初からこいつは犯人では
あり得ないということがわかってしまう。逆にキャストの濃淡で、俄然怪しい・・
先入観が邪魔しすぎた…。

殺人に関しての結構グロい描写や、姫川の過去などドンヨリとしたモノもあるが、
姫川班を中心に登場人物はしっかり個性を持って描かれ好感が持てる。
ただ、事件解決へのステップが、かたや姫川の天才的なひらめき、
もう一方はガンテツの裏技という感じでロジカルに導き出されるわけでないなど
後半の急スピード感は否めない。

しかし、刑事モノとしては美人刑事主人公というのは、ちょっろエロい展開を
期待してしまうも意外に悪くない。
シリーズモノとして続いているらしいので、是非次の「ソウルケイジ」にも挑戦しよう。
姫川の自身の過去との戦いは程々になっているといいなと思ったり。

by dg23

タグ:★★★☆☆
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