館島 [本(エンターテイメント)]
この本を読んでいたところ、
ちょうどこの東川篤哉氏の作品が2011年の本屋大賞を受賞したとのこと。
もしかしてこの作品も話題になってたりしたのかな?
『館島』といういかにもなタイトルの通り、
閉じ込められた孤島、不可思議な作りをした建物、鋭い探偵という定番が揃った
本格?ミステリー。
半年前に主人が不可解な墜落死をした館に、当時の関係者と探偵が招かれる。
そして、嵐のために孤立した島ではまた殺人が起こる。
今度の被害者は、死んだ主人の長男。そしてあり得ない深夜の密室。
全員がアリバイを証明出来ずに…そして、二人目の被害者が…。
とまさに、王道ストーリー。
個人的にこの設定では読み進めるのがつらかった…。
この作品は、作者の初期の作品なのかどうかは知らないが
作品全体の書きたい方向がイマイチ分からない。
ドキドキしないし、怖くもないし、かと言って笑えるほどのユーモアは薄い。
中途半端におちゃらけた掛け合いをしている間に、
逆にしっかりと本格的なトリックが暴かれる。
登場人物の設定も微妙…。
探偵や刑事のキャラに鋭さを感じないのに、ありえないトリックを暴く。
他の登場人物もあえてのキャラの薄さだとしたらどうなのか。
数多くの、孤島モノ、密室モノ、館モノの名作と呼ばれるミステリーがある中で、
独特の登場人物キャラで、そしてその軽さで新しさを出そうとしているのか?
成功しているとはちょっと言い難い。
本格路線で重厚なストーリーにするか、トリックよりも人物メインで行った方が
良いのではないかなと思ったり…。
なにはともあれ、本屋大賞とった作品はそのうち読まないとね。
by dg23
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