横道世之介 [本(エンターテイメント)]
以前読んだ、吉田修一作品とは随分違う印象。
そしてなんだか不思議な作品。
大学生になった横道世之介はテキトーにサークルを選び、学校よりもバイトが忙しく
Wデートなんてしたりしながら、年上の綺麗な女性に恋をして、
そして周りの友達にも優しくしつつ、されつつどっぷりと誰かに入り込むこともなく、
それでいて偏見や先入観を軽く飛び越え、でも真面目なことは真面目に考える。
数年後、彼に関わった人々はあるきっかけから、それぞれに微笑みとともに世之介を思い出す。
普通の大学生のお話。それも結構平凡だけど楽しい部類に入る大学生のお話。
良くも悪くも、学生時代を誰もが思いだしそうなお話。
書評とかだと非常に評価の高い作品。
感動・涙・青春小説の傑作などの言葉が並ぶ。
個人的にはどの言葉もイマイチ、ピンとこない。不思議な小説。
読者それぞれが学生時代に思い描くノスタルジーの中に、最大公約数的に
「そんな奴居た気がする。」「しいて言えばあいつに似てるかも」なんて友人に
当てはまる「あるある感」でほっとさせ、その後それぞれが歩む人生に、
大人って色々あるんだよねと共鳴できる感じがウケているのかなと思う。
最期はなぜ、そうしてしまうのかなと思ったが、
平凡でも、ただの良い奴なわけでもなく、“本当に良い奴”を強烈なインパクトで
納得させる。
青春小説として素敵なお話である。
by dg23
タグ:★★★★☆
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 履歴書の書き方 (2012-09-08 11:37)